ロング・グッドバイ
昨日からはじまったNHKの土曜ドラマ『ロング・グッドバイ』が面白い。
原作は言うまでもなくレイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズのひとつ『ロング・グッドバイ(長いお別れ)』だ。どうやらこの作品には賛否両論あるらしいが、正直に言うと原作を読んでないのでぼく自身の見解は述べられない。まあ、この作品に限らずひとつの作品にいろんな見解があるのは当然っちゃ当然だろう。
ただ、ドラマは面白い。主演の浅野忠信をはじめ、若手の中でも最近飛び抜けて人気と勢いがある綾野剛、さまざまなドラマ・映画でその実力を見せる遠藤憲一、他にも柄本明、小雪など起用されている俳優陣も豪華かつ重厚だ。脚本の渡辺あや、そして大友良英による音楽もいい。
なんというか「NHK本気だな」という陣容。
そして戦後数年という時代背景も個人的にはツボだった。
1950年代というのは、非常にゴタゴタしていたんだと思う。敗戦を引きずる人間、未来に進もうと歩き出す人間、そして地下で蠢く人間とその思惑(この蠢く感じが映像から感じれたのが個人的にこのドラマを気に入った大きな理由だ)。
まだ整備されきってない状態だからこそでかい夢も見られるし絶望も深い、そんな時代だったんじゃないか。
煙草の紫煙に珈琲の薫り。夜にはバーでバーボンを。くぅ~!たまらん!!
やっぱりハードボイルドというのは男にとってどこか憧れる要素がある。
女の人がどう感じるかはわからないけど、男なら権力に縛られず自身の流儀を貫くような生き方に共感する人は多いだろう。多くの男(最近では女性も)が職場で下げたくもない頭を下げ、やりたくもない仕事をやって、それでも守りたいものや人のために働いているんだろうから。
まあ単純にかっこいいし憧れる部分ももちろんあるんだけど。
とにかく来週も楽しみだ。