あれから二十年
阪神淡路大震災から二十年ですね……。
当時ぼくはまだ小学生で、朝起きて母親が見てたニュースの映像を見て「なんだこれ?!」となったのを憶えています。
うちの両親はともに関西での生活が長かったので、相当な衝撃を受けたことでしょう。母は当時の友人知人に連絡をとってました。父は家にいなかったのでそのときの反応はわかりませんが。
なんとなくですが憶えているのは、母がいろんなところに電話している姿です。そのうち何本かは繋がって、何本かは繋がってなかったように思います。
地震発生当日からしばらくして父が家に帰ってきたときにもひと悶着ありました。
うちの両親は再婚同士なのですが、父の前妻の方と娘さんが被災したのです。ぼくはどちらにも会ったことがないのでどんな人たちなのかまったく知らないです。それは母も同じでした。そんな父の前の家族のために父はぼくの学費にと貯めていた貯金を母に無断で全額使ったのです。
これに母が激怒しました。普段からそんなに仲が良い夫婦ではなかったとは思いますがこれが更に溝を深めたのだと思います。そこからはもう……。人間はこんなに汚い言葉を吐くのかというほどの罵詈雑言とケンカでした。
今のぼくからすると父の気持ちもわかりますし、また母の気持ちもわかります。ですが当時の幼いぼくにはただケンカする両親を見てることしかできませんでした。そしてこれは現在の自分の人格形成に大きな影響を及ぼしたように思います。
両親のケンカにより、姉への興味が深くなったのもこの頃です。一人っ子だと思ってたぼくの頭の中で勝手に❝優しいお姉ちゃん❞というイメージが膨らんでいきました。そのお姉ちゃんが可哀そうでしかたなかった。完全なる妄想だけど。
中学以降何度か折に触れて父に未だ見ぬ姉(正直前妻については興味がない)のことを尋ねますが詳しいことはまったく話してくれません。最近はそれでケンカになるのが面倒なので話題にしないようにしていますが。
結果的に今だから言えることですが、あの震災はぼくの家族と僕自身の人格、現在の関係性に大きな影響を残したままです。
今週のお題「今だから言えること」